DPSという概念について色々と

最近はDPSばかりを見ている方々が増えている気がしますから
今回はこの辺りについて少し真面目に書いていこうかと思います。

以前の記事にも書いたことがあるのですが、私はいわゆる
「DPS」にまつわる不毛な論争をあまり好ましく思っておりません。

各種PA毎の「DPS」はPA性能の傾向に対する大まかな目安として
扱うべきであり、「カタログデータ上のDPS」の高い低いといった
部分だけを見てPAの強い弱いを決めるべきではないのです。

アクション性の少ないゲームならDPSはある程度参考になりますが
PSO2はアクションゲームです。エネミーの挙動や部位の形状・位置といった
要素だけでもダメージ効率に影響が出ますし、使用する攻撃の範囲形状や
総火力、動作時間によって攻撃の命中しやすさは変わってきますし、
相手の隙に対して攻撃が行える回数も変動します。

当たらなければノーダメージなのですから、DPSのみを語ることに意味はありません。

また、各種動作フレームは計測した人によって数値が違ったりします。
計測時の環境の違いや測り方によって実際のダメージ効率との差異がありますから
大体このくらいの性能、という参考程度に留めておいたほうが無難です。
カタログスペックだけを比べた言い争いなどは本当に無駄でしかありません。

私の主張としては概ねこんな感じですが、具体例などがなければ
分かりにくいお話でもありますから、少し細かい解説も行っていきましょう。

【理論値と実際のダメージ効率との剥離】

攻撃手段毎の「DPS」という概念は理論上の数値です。
各種攻撃手段の威力を動作時間で割った値が今回使っている「DPS」なのですが、
「DPS」という単語自体が曖昧な表現のため誤解されやすい気がしています。

クエスト時間全体での秒間ダメージとして使う場面もありますし
PA単体の秒間ダメージとして使う場合もある言葉です。人によっては
各種情報サイトに記載されているDPSは全クラスや全攻撃手段において共通
捉えている人さえいたりするようですから、あまり良い表現ではありません。

このため、ここでは各種攻撃手段の「威力」と動作終了後の
JAリング発生までの「動作時間」を基に算出した「秒間威力」という形で
表現することにいたしました。

ともあれ、この「秒間威力」は実際のダメージ効率においては
参考にならない場面が時折発生いたします。よくある要因としては
アクションゲーム故の入力遅れが代表的でしょう。

秒単位のダメージ効率ですから、些細な入力遅れでも
数値には大きな差が発生いたします。人間の反応速度や入力速度には
限界がありますから、理論値を出すことは困難だと思います。

慣れた行動であれば2~3フレーム前後(1/20秒以内)の差に収まりますが
6フレーム程度の差が出ることもあり、こういった遅れが発生することは自然なことで
攻撃回数を重ねれば重ねるほどこの差は累積していきます。

この入力遅れについては理解していない方は珍しいでしょうから、
もう少し踏み込んだ部分についても解説いたしましょう。

【実際の秒間ダメージとの差異】

実際にクエストにおいてエネミーに与えられる秒間ダメージは
エネミーに命中した際に発生します。これはごく当たり前のことなのですが
多くの場合、カタログスペック上の秒間威力は次のJAタイミングまでの時間
基準ですからダメージ発生がJAタイミングより速い場合、差異が生じます。

クエストのクリアタイムは使用した攻撃手段の秒間威力ではなく
実際に与えたダメージ量で決まり、クエストのクリアタイムにおいて大事なのは
実際に与えた秒間ダメージです。

多くの場合、ダメージや判定の発生はJAリング発生タイミングよりも速いです。
つまり、攻撃可能なタイミングに対して攻撃が間に合えば理論値を上回りますし、
少しでも間に合わなければダメージ効率は低下することになります。

このことを踏まえると、攻撃可能な時間内に収まる攻撃手段の中から
複数回の使用を考慮した合計ダメージが高い攻撃手段を選択することが重要であり、
秒間威力はその判断を行う際に参考にする要素の一つでしかないのです。
攻撃が無駄なくしっかり入るかどうかが重要なのです。

また、攻撃に費やすリソースについても無限というわけにもいかず、
PP消費が多ければPP回収が必要になる場面が発生しやすくなりますから
その時の状況に応じた攻撃効率を考える必要もあるでしょう。

こういった差異が発生する場面もまたそれなりに発生するもので
レイドボスの特殊ダウンをはじめとして、エネミーのHPの残量といった要素や
攻撃範囲とエネミーの数によってもダメージ効率は大きく変わってきます。

クラスによっては攻撃間隔の違いによる影響も無視できませんから
各種攻撃の特性についてはしっかり把握しておく必要があります。

【カタログスペックとの差異の実例】

イーデッタ危機一髪
今回はイーデッタさんに爆散してもらいました。

ファントムライフルの場合もカタログスペック上の秒間威力と実際の
エネミー撃破時間に少なくない差異が生じます。例えば動かない相手に有効な
「ナハトアングリフ」と微妙な性能に定評のある「シフトクーゲルシュトゥルム」を
比較すると理論値と実ダメージの関係が分かりやすいです。

[撃破時間計測結果]

対象:コドッタ・イーデッタLv75 HP:約670,000

静心通常攻撃1+2+3 計測フレーム:215~518…303F 理論値:秒間163,184ダメージ
シフトクーゲルシュトゥルム 計測フレーム:665~950…285F 理論値:秒間149,421ダメージ
ナハトアングリフ 計測フレーム:877~1150…273F 理論値:秒間199,064ダメージ


コドッタ・イーデッタの部位破壊後の撃破時間を計測した結果となります。
なお、ひっそりと「静心の志」の効果を受けた通常攻撃も並べています。

この場合、カタログスペック上最も秒間威力の低いシフトクーゲルシュトゥルムが
秒間威力で負けているはずの静心通常攻撃よりも撃破時間が速いという状況が発生し、
秒間威力差が25%近く離れているナハトアングリフに迫る状態となっています。

これはシフトクーゲルシュトゥルムの攻撃間隔が短いことから、
やや攻撃間隔が長い通常攻撃よりも早くエネミーに止めを刺すという形となり、
より攻撃間隔の長いナハトアングリフはそのダメージ配分と攻撃間隔が裏目となり
うっかりトドメを刺し損ねると他のPAに追いつかれない状態となるのです。

※計測時、ナハトアングリフは2発では微妙に撃破できない状態でした。
※イーデッタを285Fで撃破するには142,421ほどの秒間ダメージが必要で、
 シフトクーゲルはほぼ無駄なくイーデッタを撃破しています。


因みに、シフトクーゲルシュトゥルムの連続射撃部分で部位を破壊していた場合は……

シフトクーゲルシュトゥルム 計測フレーム:495~756…261F 理論値:秒間169,185ダメージ

射撃開始前の無駄な時間が省略される上に、入力遅れといった
遅延要素が存在しない連続射撃部分を無駄なく撃ち続けることになるため、
ナハトアングリフよりも撃破時間が短くなる状況が発生します。

つまり、秒間威力と秒間ダメージは必ずしも一致するとは限らないのです。

イーデッタ爆散
攻撃力を少し調整してやりなおし。

また、ナハトアングリフ2発で撃破出来るように条件を調整した場合、
168Fでの撃破となり、ナハトアングリフ側が理論値を上回る271,705/sという
秒間ダメージを出して、他のPAを2割以上引き離す結果となりました。
同条件のシフトクーゲル連射部分だと207Fで撃破となります。

ナハトアングリフのようなダメージ間隔が長くダメージ量の大きなPAは
攻撃が可能な時間と使用回数、エネミーHPの残量の影響を大きく受ける傾向にあり、
ダメージを綺麗に使い切った際のリターンが大きい性質を持つのです。

なお、ファントムの場合はアタックジェルンによるジェルン付与を前提とした
フレイズディケイの適用やクリティカルの関係でダメージが上振れたり安定したりと
他クラスよりも攻撃間隔やダメージ配分といった影響も考える必要があります。
こういった要素を考えると、案外シフトクーゲルは有用な状況が出てきます。

【まとめ】

いわゆる「DPS」はPA性能における参考要素の一つに過ぎません。

「DPS」という一部の要素に拘った結果、某DPS計測ツールを使用して
最終的にお仕置きされる……といったお馬鹿な末路を辿ってはいけません。
(アクションゲームだとDPSに固執すると却ってクリアが遅くなったりします……)

実際のエネミー撃破時間は秒間威力の他に攻撃間隔や総火力の影響を受けます。
場合によっては秒間威力の差を埋めたり覆すような状況も発生する可能性があり、
各種攻撃手段の傾向をしっかりと確認する必要があります。

基本的には攻撃間隔が短い攻撃手段は無駄が少なく
本来のダメージ効率以上のダメージ効率を出すことは難しいですが
攻撃間隔が長い攻撃手段よりも早くエネミーを倒す可能性があります。

一方で、攻撃間隔が長い攻撃手段は総ダメージが高い傾向にあり、
ロスがないようにエネミーのHPに対して全ダメージを入れる必要がありますが
ぴったり倒し切った状況などではリターンが大きな攻撃手段でもあります。

攻撃間隔や総ダメージについても攻撃手段に対する判断材料の一部に過ぎず
PP基準でのダメージ効率や射程、範囲といった要素も重要となりますから
私としては一つの要素に固執しない行動選択をおすすめします。

長くなりましたが本日はこのあたりで、それでは御機嫌よう。

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この記事のコメント

 UHだとかで定点dpsでphの刀が優勢だと私が思ったのはUHのボスエネミーは硬めなので地味にJA判定のミスが後半になるほど響いてくる。
 表フォルターは攻撃の感覚が長く、JAを取りやすく理論値を出しやすいPAです。
 それでも多少ずれます、他PAに比べてそのずれが少なくすむ。最後の切り上げが優秀でそこからJAの感覚をとりやすいし、攻撃が長いのでJA判定のミスが後半に響かない。
 かかしでないにしろ、クイカで更に密着して繰り返しがしやすい。
 これがロッドのテクだとどんなに上手い人でも後半になればなるほどJAのずれが響いてくる。
 PHのロッドのテクで理論値だしてるよって人なんておそらくいないでしょうね。
 dpsが1400代でも属性のことや実dpsを含めると、前半の攻撃回数、5回以上打ったときから1300とか1200とか下回っていくはず。
 ロッドの範囲2種優秀なんですけどねぇ、殆どの人が使っていない。
 私はずっとメインはフォース、ブレイバーph昔はGUでしたか、やってましたが、炎は上方修正されたとはいえ、メインフォースをしていた身としては、どのテクも使う場面がない。
 属性影響されるテクニックを連打するよりも範囲2種うって起爆したほうがいいと、思いますがね(笑)
 で、メインフォースなら、多少弱点炎だけどここは雷だとそういう場面もあるけれど、PHならそれができない。
 なぜなら、小型雑魚のhpが少なくて、スキルで威力がおちた攻撃を選択できないから。
 驚いたのは艦隊戦で、雷びりびりしていたphロッドの人がいたとき、テクターでポイズン振りまいてゾンディールしてときに、それをされたらもう。
 やはりもうこのロッド握ってテク連打すればいいんだというのは、止めれそうにないですね。
2019-06-28 Fri 03:02 | URL | テンパ10603 #S7qNvXQM [内容変更]
ロッドテクニックで理論値を出せるひとが殆ど居ないのは間違いないですね。

各武器のシフトアクションの動作フレームを計測して気づいたのですが、
どの武器種もシフトPAに移行可能になるタイミングは最短で23フレーム……
実はシフトアクションのJAタイミングそのものは22フレームで共通でした。
(カタナだけ攻撃動作がJAタイミングの後なので実質40フレームほどですが)

一方で他の方の計測結果を見ると6フレーム以上遅いものが多いので
原因を考えてみた結果、多くの環境において通信の遅れが原因となって
必要以上に入力が行われている可能性に気づいてしまいました。

例えば大抵のパソコンのデフォルト設定では通信にディレイを掛けるような
設定になっていますし、デバイスによっても入力精度は変動するものですから
環境によっては理論値を出すのは物理的に不可能な場合も考えられます。
チャージ行動の解除を無駄なく行うのは地味に難しいのです。

チャージ完了タイミングの把握もジャストアタックよりも
タイミングを掴むのが少し難しいでしょうし、慣れも必要になってきますから
テクニックで理論上のDPSを出すことはPA以上に難しいかと思います。

テクニック自体はその特性を把握している人が使えば強いのですが、
よく分かっていない人が扱うと他の人の足を引っ張りかねない行動ですから
あまり流行ると困ったことになりそうですが……多くの人はお手軽で簡単に強い
といった行動を好むものですし、その行動を強いと聞いたら考えなしにそれを
真似するものなので、どうにもならない問題となりそうでした……
2019-07-02 Tue 06:37 | URL | フィーネ #jVHjcq8A [内容変更]
これは対単体とか対複数でも変わってくる話ですかね?
数値だけでは想定できないことってあると思いました。
2019-07-03 Wed 21:17 | URL | 8鯖 #- [内容変更]
単体に対してはダメージ量やダメージ配分、攻撃間隔による影響が
大きく出てきますが……対多数になると必要な要素が変わってきます。

対多数を相手取る場合、基本的に相手を一塊として捉えるので
個々に対する回避や安全性の優先度は下がり、隙を突いて攻撃に移るといった
戦い方にはなり難く、複数を巻き込んで数を減らすことが重要になります。

※対単体では攻撃できるタイミングと出来ないタイミングが
 明確に発生しやすいので瞬間的な火力や攻撃間隔等が重要となります。

つまり範囲形状や射程が重要になってきます。

敵集団との距離があれば射程のある範囲攻撃が強いですし、突入時であれば
前方範囲攻撃が適切です。突入後の乱戦状態であれば自身中心の範囲が有力など
状況に応じて攻撃範囲を使い分けることで攻撃効率が良くなります。
単体に対する火力が高いPAは対多数においては役立ち難く。

一方で、回避力や安全性の高い攻撃手段が有利になるケースは存在します。
例えばアルチ系エネミーなど、のけぞり無効のエネミーが多数出現する混戦では
Phによるラバータを使った処理方法はかなり有効な選択肢です。
(エンドレスのナベチやリリチエリアなどが代表的)

攻撃判定の持続時間などの要素が重要な場面があったりしますが、
対多数の場合は基本的には攻撃範囲の広さや形状を見て使用していくと
集団を減らしていく速度……殲滅力は向上しやすいかと思います。

基本的には秒間威力と攻撃範囲の両方の要素がトップクラスといった
極端な攻撃手段は珍しいです。そういった攻撃ですら攻撃判定が広いせいで
非弱点部位に攻撃が吸われて攻撃効率が低下する場面は存在します。

瞬間火力が高いから良いというものではなく……
だからといって範囲が広ければ良いというものでもありません。
状況によって求められる性能はその都度変わっていくものでした。
まあその、行動選択って意外と複雑なものですね。
2019-07-10 Wed 01:03 | URL | フィーネ #jVHjcq8A [内容変更]
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